ベネッセ個人情報流出に見る IT業界の実態

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ベネッセコーポレーションから情報流出は、警察調べで1012万件にのぼり、ベネッセからの報告では700万件が流出したそうです。

個人情報流出のベネッセ 経営に影響か
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140718/k10013104021000.html

 大量の個人情報が流出したベネッセコーポレーションは、主力の通信教育サービスで退会の申し出が相次いでいるうえ、情報管理のシステムの増強にも多額の費用をかける予定で、今後、会社の経営への影響は避けられない見通しです。

 今回の事件を受けて、ベネッセは顧客への対応に当たる専門の組織を設置したうえで、総額200億円を準備しておわびの品を送るなど補償の対応を検討することを明らかにしました。
さらに再発防止に向けて、個人情報を管理するシステムを増強するとともに、情報管理を徹底するための社内教育にも多額の費用をかける方針です。
一方、個人情報の流出が明らかになって以降、主力の通信教育サービスで退会の申し出が相次ぎ、先週末の時点でおよそ3000件に上っています。

 また、販売促進のために行っているイベントなどの営業活動もほぼ休止しており、会社の経営への影響は避けられない見通しです。
17日、仙台市で開かれた経済同友会のセミナーでも、大手企業の経営者から個人情報の流出が経営のリスクになるという意見が相次ぎました。

 大手住宅設備メーカー、LIXILグループの藤森義明社長は、「社員教育を徹底しなければならない。今回の件で、管理態勢をもう一度見直そうと考えている」と述べたほか、情報サービス大手のリクルートホールディングスの柏木斉相談役も「預かる個人情報をできるだけ少なくすることも考えなくてはいけない」と述べました。今回の事件をきっかけに今後、企業の間で個人情報の管理態勢を見直す動きが広がることも予想されます。


1件が家族単位になるため、1世帯3人だと計算すると、3000万人分くらいの情報が流出していることになります。

今後、人為的なセキュリティ対策を施していくということですが、日本ではシステムに対する付加価値が極端に低く、このような事件に発展していると言っても過言ではありません。

勤務態度な良好な社員なのに…

派遣社員としてベネッセのシステム委託会社に出向した今回の容疑者ですが、家族4人で賃料月7万円の2DKに質素に暮らしていたといいます。
今回の容疑者は「派遣」となっていますが、派遣会社の名前は伏せられています。理由は偽装請負なのでは?とかインターネットでは議論が過熱しています。

IT派遣の実態に世論はもっと沸いて欲しい

老舗の会社のシステム部によくあるのですが、その会社の社員はシステム開発の上澄みだけを行い、実質的な作業(プログラミング)は、設計から開発から保守から全部が外注なのはよくあることです。

外注先は大手のSIerと呼ばれる会社が多いのですが、さらにその会社の社員としてもっと小さい会社の社員が働き、さらにその会社の社員としてもっと小さい会社の社員が働き…という風に、どんどん人数がかき集められているのが現状です。

派遣自体は法的に問題ありませんが、請負の契約は常に顧客と本人(もしくはその会社)が行わなくてはなりません。しかし、契約上の煩雑さからと、紹介時の手数料の問題でこの業界はどんどん上から搾取され、最後にエンジニア本人に渡る金額というのは契約時の半分以下ということも珍しくありません。

容疑者になった人も、自分は30歳を超えてどうなってしまうんだろうと思っていたに違いありません。

これは日本全体で起こっている業界の実態なのです。

1000万円のシステムを作るのに、中抜きの業者がピンはねを繰り返し、最終的な制作会社が受け取る金額は400万なんていうことになっています。
これではこの業界そのものが衰退していくのも無理はありません。中抜きの業者は本当は「作れない」のですから。

IT系の企業は作れるか作れないかに主眼を置けば、半分以上は自社による開発能力が無いと言ってもいいのではないでしょうか。

システム制作会社が何をすべきなのかは明白で、まず1つは請負はお客様から直接しなければなりません。お客様とは、システムの納品先です。これは請け負うほうの会社に責任があります。社長出て来い!

営業力が低いから大手のSIerにおんぶに抱っこの状態では、この状態を決して抜け出せないからです。
IT業界では人売りという概念が定着しすぎていて、作業単価は何人が何日で作業するという人日での算出が基本です。
ただ、これらは大手同士のやり取りではもっとサービスによっていると考えられます。
業界の下層に行けば行くほどこの考え方でサービスが提供されてしまう=営業を放棄していると考えられます。

2つ目は、発注側が請負についてもっと真剣に取り組むべきです。
発注元のシステム部(名前だけ)の部長さんにツーカーの業者さんがいて、それにお任せというのでは、今後の成長戦略を担ってくれるシステム開発がうまくいくはずがありません。みずほ銀行のシステム開発も延期するなどといった現象がぽっと報道されては消えていく中で、IT業界は一歩も前進しておらず、GungHoやDeNAなどの自社サービスを展開する会社がどんどん上場しています。請負業者がどんどん業績好調として取り上げられ、IT業界を支えているスーパーエンジニアが所属していることを誇っている会社がどれだけあるでしょうか。

他社システムを開発することは、悪いことではありません。
システムがなければこの世の中はほとんど回せない状況にきています。
1社に1人システムエンジニアがいてもいい時代になってきているのです。

そんな時代のこんな事件ですが、取引先のことを真摯に考えながら、業績上昇を共に歩んでいけるシステム開発をしていく。

そんな会社であり続けたいと個人的には思いました。


投稿者:

1yaan

1yaan

株式会社パラファミリー社長。 前職は証券系のシステム開発をやっていたため、独立して今に至る。 お休みーと言ってから寝るのが早い。 画像はうさぎドロップのりんちゃん。公式HPで配布しているにも関わらずかわいすぎて愛用。

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